「シャルソン」に注目集まる

「シャルソン(ソーシャルマラソン)」と言われるマラソンイベントに注目が集まっています。参加者はSNSを通じてイベントへの参加を表明し、決められた時間内にゴール地点に到着することがルールです。ただし、その際に走る距離やコースは参加者が各自で自由に決められるなど、従来のマラソンイベントにはなかった「ゆるさ」が特徴です。
シャルソンが生まれたきっかけは、2012年2月に東京都で行われた「経堂マラソン」です。このイベントは東京マラソンの出場抽選から漏れた人たちが自主的に主催したもので、おそろいのTシャツを着て世田谷区内を自由に走るランナーたちの様子がソーシャルメディアを通じて全国に紹介されました。現在はFacebook上に「ご当地シャルソン協会」というページが設けられ、前橋市、札幌市、横浜市など他地域でのシャルソン開催につながり全国各地でのシャルソンイベント情報が発信されています。
厳密に定められていない「シャルソン」のルールですが、日本経済新聞の記事によれば大まかに下記のような決まりがあるそうです。

(1)ゴールの場所と大体の時刻はあらかじめ指定するが、スタートの時刻や場所は参加者各自が決める。走っても歩いてもよい。交通機関も利用できる。車道ではなく、主に歩道を走るので参加者のマナーは大切。参加料は数千円。
(2)スマートフォンなどのソーシャルアプリを積極的に使う。主催者はFacebookのイベントページで参加を受け付け、大会の模様をUSTREAMで中継。ランナーも走っている最中にFacebook等に投稿する。
(3)飲食店などがボランティアで飲み物や食事を提供する「給○ポイント」やゴール後のパーティーでは積極的に参加者同士が語り合い、街の魅力をシェアする。
(4)途中で最低1枚は写真を撮り、自分が発見した街の面白さをパーティーで伝える。

つまりシャルソンは「タイム」にこだわるのではなく、気軽に参加し、他の参加者や地域との交流をすることが主眼であり、そうした側面が、地域活性化やコミュニティづくりに活用できるのではないかとして注目されています。さらにシャルソンには企業からも関心が寄せられており、自動車メーカーによる交通安全啓発活動の一環として催されたり、シャルソン参加者にコーヒーチェーンが無料でコーヒーを振舞ったりといった事例も出てきています。
■出典・引用
SNS×ご当地マラソン「シャルソン」広がる  :日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXBZO47811920Z21C12A0HP0A00