インターナショナルオープンデータデイ2014 開催当日レポート

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出典:OKF Japan Flickrページより抜粋

 

オープンデータ利活用についてのアイディア出しや、オープンデータを利用した試作品の開発などに、世界各国の都市が一斉に取り組む「インターナショナルオープンデータデイ 2014」が先日2月22日に開催されました。

世界各地の194都市が参加したこのイベントに、日本国内からは、去年の約4倍にあたる33の都市が参加しました。さらに推計によれば、日本国内だけで1000人以上がオープンデータデイに参加したようです。

こうした盛り上がりの背景には、国内でのオープンデータに対する大きな注目と期待があると思われます。オープンデータへの熱い視線は、民間に留まらず自治体からも注がれており、今回のオープンデータデイでは、多くの開催都市が自治体からの協力のもとイベントを開催していました。名古屋市で開催された「International Open Data Day in Nagoya / オープンデータ東海」では、イベントに合わせて名古屋城の実測図面が提供され、当日はそのデータを利用したアイディアソンが開催されました。また、千葉市、流山市、松江市の3都市では、オープンデータデイ当日の会場に、市長が自ら訪れるということもありました。

今回のオープンデータデイでは、各都市がその地域のカラーを強く打ち出しており、それぞれの地域に関連したテーマ設定や、その地域ならではの会場が用意されていたことも印象的でした。先述の名古屋市では、名古屋城のデータを使用していることもあり、名古屋城正門前にある能楽堂を会場として使用しました。京都市でも、伝統的な住居である町家を会場にオープンデータデイのイベントが開催されました。また、京都市のイベントでは、参加者全員で街歩きを行い、そこで自分たちが観察したものをオープンデータに落としこむ「まち歩きオープンデータソン」も行われました。このような、地域を実際に歩いてオープンデータを作成していくイベントは、京都市以外にも横浜市、三保の松原(静岡市)、藤沢市、丹波市などでも実施されました。

このように今年のオープンデータデイは、単に去年よりも参加都市が多いというだけでなく、各都市が独自の試みをした結果、内容に多様性が生まれたということも大きな特徴と言えるでしょう。もちろん、ここでは紹介できなかった都市も、独自の企画や素晴らしい成果をあげています。各都市の当日の様子は、林雅之氏のブログ記事で詳細に紹介されています。また、Open Knowledge Foundation Japanも英語のまとめページを作成しており、世界中に日本のオープンデータデイの様子を発信しています。

さらに、国内のネットニュースでも、オープンデータデイ当日のインタビュー記事やレポートが掲載されています。

なお、オープンデータデイ当日、東京の国際大学グローバル・コミュニケーション・センターには、サポート&メディアセンターが設置されました。同センターでは、オープンデータに関する動向や事例のオンラインレクチャー、各会場の様子を英語ツイートで海外に発信、公式ページへの集合写真の掲載などを行いました(本稿冒頭の写真)。

  • インターナショナルオープンデータデイ2014 | ハッシュタグは #oddj14 http://odhd14.okfn.jp/

 

本稿の最後に、国外のオープンデータデイ当日の様子を紹介します。冒頭でも紹介したとおり、世界194都市が今年のオープンデータデイに参加しました。アジア圏では、日本以外にも東アジアや東南アジアの国々から多くの都市が参加しました。

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フィリピンのマカティ市で行われたイベント
(出典:DregzGonzales氏のツイートより)

 

アフリカ大陸でも、14の都市がオープンデータデイに名乗りをあげました。ナイジェリアの首都アブジャでは、オープンデータ当日に、オープンデータに関するレクチャーや、教育に関するハッカソンなどのイベントが行われました。

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Open Data Day Abuja
(出典:Follow The Money氏のツイートより)

 

ヨーロッパも60以上の都市が参加し、大きな盛り上がりをみせました。ツイッター上にも、各都市のイベント会場の様子が積極的に投稿され、時には国を超えてのやり取りも見られました。

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スペインのビルバオ市では、市内のDeusto大学でイベントが行われた
(出典:Unai Aguilera氏のツイートより)