交通機関とシェアサイクルを一括して経路検索ができるサービスの実証実験が札幌で開始

「Mobility as a Service」と略され、「人の移動」に着眼点をおいた新しい交通機関の使い方の「MaaS」について、これまでにもいくつか紹介してきました。

また、日本企業もヘルシンキのMaaSの企業である「MaaS Global」に多くの出資を行っており、MaaSへの注目度の高さがうかがえます。

複合的な経路検索や事前に一括の運賃支払いを行うことができるのがMaaSの特徴ですが、これに近いサービスの実証実験が国内で行われることが明らかになりました。

経路検索サービスの「駅すぱあと」で知られる株式会社ヴァル研究所と、札幌都心部にてシェアサイクルを提供する特定非営利活動法人ポロクルが運営して実証実験を行う「mixway」は、シェアサイクルと公共交通をミックスした経路が検索できるスマートフォン向けのウェブサービスです。日本で唯一の複合経路検索サイトと称しています。

このサービスは、公共交通の経路検索サービス「駅すぱあと」をベースとしており、電車やバスなどの公共交通とシェアサイクルを組み合わせた経路検索や、リアルタイムなポートの空車・満車情報がわかるマップなどの機能を利用することができます。

執筆時点ではまだサービスそのものは公開されていませんが、プレスリリースには開発中の画面イメージが掲載されていました。

この実証実験は2018年5月22日から8月31日まで「ポロクル」対象エリアとなる札幌市内を対象区域として行われる予定で、このサービスの有用性やこのサービスによるシェアサイクルの利用促進効果を検証することが実験の目的となっています。

他にも、首都圏の私鉄である小田急電鉄でもMaaSについて取り組んでいくことを中期経営計画(2018~2020年度、2018年4月27日付)で明らかにしています。

この計画の中で小田急は、MaaSを活用することで、「自動運転技術等の次世代のテクノロジーを活かし、多様な交通モードのシームレスな連携による移動サービスを享受できる生活の実現」を目指すとの記述があります。

日経XTRENDによると、経営計画にMaaSへの取り組みを盛り込んだのは国内の鉄道会社としては初めてとみられるとのことです。今後は国内の他の交通機関や他の企業でもMaaSについての取り組みが増えていくものとみられます。

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